[富山貴船神社]
(とやまきふねじんじゃ)[冨山]
佐倉に住む石屋の小川治郎兵衛が、東金への仕事の帰りに冨山を通りかかった時のこと。
雨足が急に速くなり、白いしぶきと共に水溜まりの水位が上がって、水はたちまち広がり始めた。
治郎兵衛は恐ろしさのあまり、ナラの大木の下に身を寄せた。
その時、まっ白な大蛇が水溜まりから姿を現し、驚いた石屋はその場に気を失った。
しばらくして気がつくと、雨は上がり、あたりは何事もなかったように静まり返っていた。
その夜、一人の神女が枕元に立って「私は冨山の池の主です。今日あなたが私を見たあの池のほとりに
貴船の神をってくれるなら、あなたの望みをなんでも叶えてあげましょう。」と言い残して去った。
たまたま年老いた父親の足腰が立たず、医者に見放されていたことから、
早速それを治して欲しいとお願いすると、たちまち病が癒えた。
早速、治郎兵衛は身を浄めて、一心に約束の御神体の像を刻んだ。
そして、この話を上勝田、榎戸、大関の3ヶ村に赴いて話したところ、いずれの村も「貴船の神は
降雨止雨の神、願う所」と賛同し、文政13年(1830)に貴船神社が建立された…と伝えられる。
昭和55年の神社改修の折に、御神体の底部に記された願主の石屋とその家族5名の名前、
そして文政12年正月9日の日付が確認されている。